映画感想2003-2004


アヴァロンの霧
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原作が膨大な量なので3時間程でドラマ化するってどうなのよ…と思ってましたが、構成に破綻がなかったので充分楽しめました。
キャラクターの性格が結構変わっていたのも、がっかりするより「こういう風に料理したのか〜」と逆に感心してみたり。 ウーゼルなんてはじめは「イメージ違うよ!」と思っていたのに観ているうちになかなか好ましい人物になりましたし (むさいんですが笑顔に愛嬌があってなんか可愛らしい)、モーゲンは少女の頃も大人になっても美人だし(←ここ重要)、 ヴィヴィアンは貫禄ある女優さんが演じていて驚きましたが、アヴァロンの女主人としては妥当な描き方かもしれないなぁと思ってみたり、 グウェンフウィファルは原作ではあまり好きではなかったのですけれど、このドラマ版では迷い多き女性として魅力的でしたし。
でも、一番残念だったのはエクスカリバーの鞘のエピソードがなくなっていた事。あれがないとエクスカリバーが本当に普通の剣 (女神の加護のある剣なのですが、ありがちな使われ方と云う感じ)なんですよねぇ。 アーサーとモーゲンの関係を象徴する重要なエピソードだっただけにこれはかなり残念でした。 アーサーとモーゲンだけではなく、全体的に人物関係があっさりし過ぎていたのもちょっと物足りなかったかな。 原作では「これでもか!」って程登場人物達の愛憎が描きこまれていたので(笑)。 まぁ、ドラマであの人間関係を密に描くと長くなっちゃいますけども。
ヴィジュアルは本当に良く作りこまれていたと思います。特に衣装が素敵。 ちゃんとケルト風でしたよ! 寒い所に住んでる人はちゃんと毛皮着てたしね。 衣装に説得力があるのっていいなぁ(←某作品への含みアリアリ・笑)。 モードレッドが最後に着ていた(被ってた)狼の毛皮は北欧神話のフェンリルもイメージさせてたんだと思うんですがどうなのだろうか (モードレッドはオークニーで育ったから無関係でもないよね? オークニーって北欧の影響が色濃かったみたいだし)。
女神に豊穣を祈る儀式とか、ベルテーンの祭りとかの異教の祭事をヴィジュアルで見れたのも嬉しかったです。 こういうディテールが凝ってないと興醒めですものねぇ。
全体的にレヴェルの高い作品だったと思います。
とりあえずファンタジー好きは観ておきましょう(何様か)。

(2004/09/09)

キング・アーサー(2004年/米)
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先行上映の映画だってえのにこんなに空いていていいのかしらと思わず心配になってしまいましたよ…。
しかも土曜日の夜ですよ? 本当に大丈夫なの? ねえ!(←誰に云っているのか)
てな訳で、出掛けたついでに映画「キング・アーサー」の先行上映を観てきました。

見所はですねぇ…迫力ある戦闘シーンとか騎士達の肉弾戦とか豪華な甲冑とか。ロケはアイルランドで行われたそうなのですが、風景の美しい事と云ったらなかったですねぇ! もう本当に素晴らしかったですよ!(鼻息) え? そんな瑣末な事はどうだって良いから内容を話せって? いや思ってたよりはずっと面白かったですよ。
ただし、アーサー王ものだと思わなければネ!

これは個人的な趣味がありますからどうこう云うのは何なんですけど、 ワタクシが望むアーサー王伝説ってのは異教的で超自然的な要素が入ったものなのですね。
まぁ、今回の映画のマーリンもドルイド的な要素はあるんですが、そこに重点は置かれてないし。
湖の貴婦人もモルガン・ル・フェイもエレインも出て来ません。キャメロットもアヴァロンもありません。聖杯も無し。
伝説の名残りはキャラクター名と円卓とエクスカリバー位のもの。
これでアーサー伝説を名乗るってのはどうかと思わないではないのですが、 ローマン・ブリテン物として考えれば結構面白かったです(まぁ、サトクリフの小説には遠く及ばないですけども)。 役者さん方も良かったし。アーサー役のクライヴ・オーウェンが結構素敵でしたよー(思ってたよりは)。
あ、これから観る方にちょっとアドヴァイス(←?)。
円卓の騎士達の中で坊主頭の人が2名出て来ますが、巨漢の方がボース、引き締まってる方がダゴネット。 さらに長髪さんも2名おりますが、鷹を連れてるのがトリスタン、髪の色が明るめなのがガウェインです。 そしてアーサーの敵方は、体に模様が入ってる方がウォード族(ほぼ半裸)で鎧やらなんやら着てるほうがサクソン人です。 観ていて混乱しそうになったので蛇足ながら。
あと、どうしてもひとつだけ激しくツッコミを入れたい所があるのですが(細かい所はこの際置いておくとして)。
グウィネヴィアが強過ぎ
実は一番強いんじゃないのか?(笑)

(2004/07/19)


以下はネタバレ有りのツッコミですんで未見の方は御注意!!

この作品を鑑賞して、その様々なツッコミ所に困惑しきってしまったワタクシはひとつの解釈を致しましたよ。
この作品でのグウィネヴィアは戦女神である。
故に矢の射程距離が異様に長いのも命中率が尋常でないのも、 たった8人で200人のサクソン勢に対抗できるのも戦女神の御加護があったからです。
氷上の決戦の前にグウィネヴィアがランスロットに「私が守るわ」と意味ありげに云ったのも、 男連中が重装備の中、雪が降りしきるブリテン島北部で薄物のドレス一枚と云う恰好で寒そうな素振りが一切無いのも
彼女が女神だからです。
最後の肉弾戦では半裸なのにもかかわらず、重傷も負わずに屈強な男達と殆ど互角にやりあえるのも戦女神であるが故。 そうに違いありません。
ついこの間まで敵対関係にあったアーサーの指揮の下で、完璧な戦い振りを見せるウォードの事だって不審に思ってはいけないのです。
戦女神がアーサーに従えと託宣を下したのであれば、そりゃ何の疑問もなく従いまさぁね。 だって女神なんだもん。
女好きのランスロットが彼女の湯浴み(?)のシーンを見てしまって目をそらすのもグウィネヴィアが女神だから。 古来から女神の沐浴を盗み見する者は碌な目に合わないですし。
意味深に視線を交わしていてもその先に進まないのはランスロットの側に女神に対する畏敬の念があったからです。 女神様に対して手を握るとかキスするとかましてやその先なんて不埒な振る舞いが出来るはずがございません。
ええそうに違いありませんとも。
サクソンとの戦の前夜、アーサーの寝所にグウィネヴィアが忍んで来て枕を交わすのもブリテンを守る戦士に加護を与える為です。
とってつけたようなラヴシーンだなとか考えてはならないのです。 あれはアーサーのローマへの思いを断ち切らせ、この地に完全に繋ぎとめる為の神聖な儀式なのです(笑)。
こう解釈すれば殆どの部分がエヴリシングイズオッケイでイッツノープロブレムでございますよ。
女神万歳! ゴッディス セイヴ ブリテン!!(←意味不明)
いっそタイトルも「キング・アーサー」から「クイーン・グウィネヴィア」に変えたらどうか(笑)。

アーサーの考えてる事がよくわからなくて口先だけの理想主義者に見えてしまうのも、一匹狼のランスロット(パンフレットにはそう書いてあった)が中間管理職並みの気苦労を背負い込んでいるのも、円卓の騎士の中で最も高潔な騎士である筈のガラハッドが愚痴っぽい男に感じられるのも、マーリンが謎めいた事ばかり云ってる変なジジイに思えるのも、ブリトン人とピクト人があたかも同じ民族であるように描かれているのも、意味ありげに出てきたアレクス君やルーカン少年(可愛かった〜)がそれっきりなのにもきっと深い理由があるに違いありません。 そういった細かい部分は、きっと観客たる我々が自分の脳内で補うべき事柄なのでしょう。 そうなんですよそうに決まってますって! そんな製作サイドの心情がわからなかった自分って本当におバカさんだったわー(笑)。

冗談はともかく、脳内でのストーリー完全補完の為にももう1回くらいは観に行っとくべきなのかしら…(遠い目)。 もし観に行くのなら吹き替え版かなーとも思いましたけど、クライヴ・オーウェンの声が好きなんだよな。 どうしようかな(結局行きませんでした・笑)。

(2004/08/07)

ハリー・ポッターと賢者の石(2001年/米)
地上波初登場ってことで途中から鑑賞。
いや〜、いいですねぇ〜!もう大興奮ですよ。 いつまでもいつまでも映していて欲しいと思わずにはいられませんでした。
この気持ちを「萌え」と云うのでございましょうか。
本当に素敵だったなぁ〜。
ホグワーツ魔法魔術学校(特に内部)が。

…あれれ?

次点はエマ・ワトソンの美少女っぷり(笑)。
かーわーいーいーなぁ、もうもう!(←つける薬無し)
図書館でハリーとロンを睨むシーンがいいんですよ☆
あと、ロンは大好きです〜。いい子だよねぇ、ロン(←ハリーはどうでもいいんですか)。

(2004/06/25 )

コールドマウンテン(2003年/英・伊・ルーマニア)
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南北戦争末期の1864年。
戦場で重傷を負った南軍兵士インマンは脱走兵となり、愛するエイダが待つ故郷コールドマウンテンへ帰ることを決意する。
一方、彼を待ち続ける間に父を亡くしたエイダの生活は日に日に困窮して行き…。

戦争に行った男と彼を待つ女ってんで、有り体に云えばメロドラマなんだろうな〜と思って観に行ったのですが、 人間ドラマでもあり、旅の軌跡でもあり、ラヴロマンスでもあるといった印象。
ただ、何処に主眼を置いて観れば良いのかがわかりにくかったのが残念でした。 映像は非常に美しいんですけど、物語がなんともとりとめのない感じで。 インマンの旅とエイダの生活の両方を語りたいのはわかるんですが、 色々詰め込みすぎてエピソードのひとつひとつが薄く感じられてしまうんですよ。
未来が見える井戸を覗くシーンとそれを踏まえたエンディングは幻想的で素敵だったのですが。
まぁ、ワタクシはニコール・キッドマンが好きなので、彼女のプロモーション映画だと思えば殆ど許せますんでOK!(笑)  もう凄く綺麗でしたよ〜。ウエストなんて50センチないんじゃないか?(下世話)  貧乏のどん底に突き落とされてもその美貌は増すばかりですし。 猟銃ぶっ放す姿もス・テ・キ☆(←おい)
「ライラの冒険」映画化の際には是非とも彼女にコールター夫人を演じて戴きたいものじゃのう…と しみじみ考えながら楽しみましたよ(また興味が明後日の方に行ってるし)。

(2004/05/19)

ゴーメンガースト
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ひとりゴーメンガースト(映像版)祭り絶賛開催中ー!
いいですよ〜、この作品。映像も音楽も美しいし、役者さん達も良いし。流石BBC、良い仕事をしてくれますなぁ。
でもひとつツッコミを入れさせて戴きますと、この作品の主人公ってスティアパイクだよね?
DVDのパッケージに書いてあった紹介文に

何時とは知らぬ時、何処とは知れぬ地に聳える迷宮城、ゴーメンガースト。
その城を統治するグローン伯爵家に第七十七代当主が生まれた。
彼の名はタイタス、この果てしなく続く幻想と悪夢の主人公である…。

とあったんですが、実際に作品を観てると厨房の下働きだったスティアパイクが野心を持ってのしあがっていく物語だとしか思えません。
サブタイトルをつけるとすれば、「スティアパイク、その野望と愛」って感じ?(こう書くと物凄く陳腐だな…)
原作では違うのかもしれないけど。何せ原作を読ませて貰えないので(落涙)わかりませんってば。 (※これを書いた時点では原作が品切れで重版未定だったのでした)
オープニングの音楽が良かったのでサントラを購入しようと思って本国のアマゾンにいったらこちらも品切れ。 何だよ、またおいらだけ仲間はずれかよ!!
それにしても、フレイ役のクリストファー・リー良かったなぁ!(またジジイか)
勿論スティアパイク役のジョナサン・リース・マイヤーズ氏も素敵でした。
まさに白皙の美青年ですわ!白い肌に黒服が映えて凄く色っぽかったですよ〜(何かこう書くとエロいな…)。

(2004/04/24)

マスター・アンド・コマンダー(2003年/米)
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イギリスの名艦長ジャック・オーブリー率いるサプライズ号がフランスの武装船アケロン号と対決する話です (身も蓋もないあらすじ)。
2004年度アカデミー賞撮影賞・音響効果賞を受賞作品(←取ってつけたように)。

はなっからラッセル・クロウ(オーブリー艦長役)には興味がなかったのですが(ひでえ)、 期待していたマックス・パーキス君(ブレイクニー役)の見せ場が思ったよりも少ないわと 不満に感じ始めていた私の心に飛び込んできたのが
スティーヴン・マチュリン船医ですよ!
有能な医師であり、博物学者、そしてオーブリー艦長の親友。
個人的ツボとしましてはチェロ弾きなんですよ、この方。
艦長(ヴァイオリン弾き。ウクレレも弾いてた…)と二人で合奏なんかしちゃいますし!!
ガラパゴス諸島で活き活きと標本採集に励む姿には本気でときめきました☆
ブレイクニー少年との師弟関係(だよね?)も高ポイント。
ガラパゴス諸島のシーンで流れるのがバッハの無伴奏チェロ組曲第一番のプレリュードなのですが、 この曲大好きなので嬉しい〜。これはスティーヴン船医のテーマ曲って事よね!(←また勝手な事を)

彼の魅力に触れるためだけでもこの映画を観て損はないと思います。 ああ、本当に素敵だったわ〜、先生。
ただしお好みに合わなくても苦情は一切受付けませんから宜しく。

先生の出番が多いようなので原作小説買ってもいいかと思っているワタクシでございました(笑)。
とりあえず1作目 は読んでみたいなぁ! だって、艦長と先生の出会い篇なのですもの〜。
映画原作は4作目の「南太平洋、波瀾の追撃戦」だそうな。 表紙が先生だったら即買いなんだがな(笑)。

(2004/03/04)

北京ヴァイオリン(2002年/中国)
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父親と共に田舎から北京に出てきたヴァイオリンの天才少年が、 そこで出会った人々との交情を通して成長していく姿を父子愛を絡め、心温まる映像と美しい音楽にのせて描いた佳品。 かなり泣ける作品ですのでハンカチは必携ですよ。
愛情深いお父ちゃん(時々行き過ぎの感も)の奮闘に、言葉少ない主人公の少年の音楽での豊かな感情表現、 年上の女性への淡い初恋などなど、見所は盛りだくさんなのですけれども。 個人的に何が良かったかって、そりゃもうチアン先生ですわ!(鼻息)
小汚いカーディガンを着て、薄汚い住まいに拾ってきた猫達と共にうらぶれた暮らしをしている音楽教師なのですが、 滅茶苦茶ときめきましたよ!!
どうしてこんなにときめくのかしら?と帰宅しながら考えてみました。 女性がらみの暗い過去があり、世捨て人の様な暮らしをしている教師…以前にもこの手の殿方にときめいた様な覚えがあるな。 誰だっけか。
あ、禁煙先生だ!(注:ケストナーの著作「飛ぶ教室」に出てくる先生)わっかりやすい好みだな自分(失笑)。
役者さん自身にも底が知れなさそうな魅力があったので、機会があったら他の出演作も観てみたいですね。

音楽の使われ方が凄く良かったので、珍しく映画館でサントラを購入致しました。 主人公の練習に使われていた「タイスの瞑想曲」やらチアン先生のテーマ(?)のドビュッシーが収録されていなかったのは残念でしたが、 チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲が良かったのでまぁいいか(笑)。

それにしても、主人公のライヴァルの少女の部屋に貼ってあったポスターって、 「カードキャプターさくら」か何かじゃないか?と激しく気になったんですが、 どうなんだろうか(それ本筋と全く関係ないし)。

(2003/07/01)

ウォレスとグルミットのおすすめ生活
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ウォレスの珍発明に翻弄されるグロミットの苦悩に鋭く迫る、衝撃の問題作(嘘)。
2分程の短篇が10本収録されています。ショートコント10連発と認識して戴ければわかりやすいかと思うのですが、 どうでしょう(笑)。
次から次へと繰り出される役に立たな…くだらな…いやいや、個性的な発明品の数々にはあいた口が塞がらな…もとい、 感動すら覚えましたね。よくもこれだけ色々考え付くものだ。企画力はあるんだよねぇ、ウォレスってば。
お気に入りは「朝ごはん」のロボコック。これでちゃんと朝食を作ってくれるんなら欲しいんだけどさ…。
しかし、この発明品の開発費は一体何処から捻出されてるんでしょうかねぇ。

(2003/06/05 )

グリーンフィンガーズ(2000年/英)
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開放的な刑務所エッジフィールドの囚人、ブリッグスらに与えられた仕事は庭作りだった。 厭々始めた仕事は次第に彼らの心を捉え、やがて刑務所に見事な庭を造り上げる。
高名な園芸家ウッドハウスの後押しを得たブリッグスらは、 囚人でありながら国民的イヴェントのハンプトンコート・ガーデ二ングショーに出場が認められ、 自分達の仕事に誇りと自信を持つが、盗難事件に巻き込まれた事で出場は辞退せざるを得なくなる。目標を失い、気落ちする囚人達。
そんな中、保釈が認められエッジフィールドを出所したブリッグスはある行動を起こし…。

刑務所の庭が見事な美しさを見せていく様子をはじめ、庭の美しさは秀逸。 こういった映画を作れるのは国民総庭師とも呼べる環境の英国ならではでしょうね〜。ガーデニングファンは必見だと思います。
勿論人間ドラマとしても魅力的でした。地味な映画なのですけれど、囚人達の心の動きを丁寧に描いている所に好感を持てました。 不必要な甘さがない所が凄く好きだなぁと思って観ていたんですが、ラストにはちょっとやられましたよ。流石(笑)。
個人的見所はファーガスじいちゃん(飄々とした風貌と裏腹にディープな前科持ち…)の好演と、 クライマックスの舞台、ハンプトンコート・パレスですね。ステキ〜!!
気になるのはブリッグスが出所してからしばらく暮らしていた村(町?)。 建物の石組みの感じから云って、コッツウォルズ辺りでロケをしたんではないかと思うんですが、何処だったんだろう。

庭にかける庭師の熱情を堪能できる佳品でした。お薦めです。

(2003/04/01)

抱擁
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ヴィクトリア朝の大詩人の隠された恋文を偶然発見した若き研究員が詩人の秘められた恋を辿って行くのが話の大筋。
舞台となったロンドンやヨークシャーの美しさや、情熱的な愛の物語の展開を見守るのが正しい楽しみ方なのだと思います…。
しかし、ワタクシがこの映画中一番素晴らしいと思ったのは主人公の研究員が件の恋文を発見して、 師事している教授に報告に行くシーン。台詞はうろ覚えなんですが、

「教授、大発見です!」
「君の大発見はもう二十回は聞いたよ」

って軽くいなされるところ。ステキ〜!! 萌えるよね!(笑)
このシーンですっかり教授の虜になったワタクシは、 ステキな教授は一体どなたが演じてらっしゃるのかしら?と鼻息も荒く購入したパンフレットをめくっていたのですが、
載っちゃいねえ(怒)。 主要キャラなのに載せてないってどういう事よ!
そして映画を観終った後の率直な感想はと云えば、
“教授 教授 教授 ヨークシャー ヨークシャー ヨークシャー お衣装 お衣装 お衣装”でしたよ(それってどうなの…)。
教授の出番が多かったら原作本( )買うかも(結構本気)。

(2003/03/22)

ギャング・オブ・ニューヨーク
南北戦争の頃(1861年)って事は、「風と共に去りぬ」と同時代だなぁとか 割とどうでも良い事を考えつつ観ておりましたよ。

幼い頃にギャング同士の抗争で父親を喪ったアムステルダム。
少年院での刑期を終えてニューヨークに戻ってきた彼は、 父親を死に追い込んだビル・カッティングの元に素性を隠して身を寄せる。
彼の下で頭角を現していくアムステルダムに、カッティングは息子に寄せるかの様な愛情を見せ、 二人の間には次第に父子の情愛めいたものが芽生えていくのだが、 父の復讐を誓ったアムステルダムは決定的な事件を起こし…。

観ていて思ったのは、見事なまでに女性不在の物語だという事。
女性がいない訳ではないのですが、どうも重要な役所と云うよりは華を添える役割って感じがして。 個人的にはヒロインのジェニー(キャメロン・ディアス)にもうちょっと見所が欲しかったな。 せっかくの美人なのに〜。まぁ、男同士の世界(変な意味でなく・笑)を描くギャング物ですから 仕方ないんですけども。
敵対しているにもかかわらず、尊敬の念を持ち合っていたアムステルダムの父親と カッティングの関係やら、擬似父子の交情、そしてその破綻を描いた前半部分は結構良いかも! と思いつつ観ていたのですが、後半部はなにやら散漫な印象を受けてしまいまして。
激動の19世紀ニューヨークを舞台にした復讐と裏切りと赦しの物語かと思ってましたけども、 後半は時代背景を描く方に熱が入っちゃった印象。人間ドラマを主眼に観ていたワタクシは ちょっとばかり肩すかしをくらいましたわ…。そのほか移民問題と異文化理解のテーマも入っていたので、仕方ないのかもしれませんね。 この映画のキャッチコピーは「この復讐が終われば、愛だけに生きると誓う。」ってなものでしたが、 これだけ見ると凄いロマンス映画のようだわ〜。実際に観に行くまでは、復讐劇とロマンス重視の映画だと思ってましたよ(笑)。 ニューヨークが大都市として育っていく過程の猥雑さや熱っぽさの描き方は好みでした。 この話の真の主役はこの都市だったってんなら、ああいう描き方もありなんだろうなぁ(後半部)。

(2003/01/15)