●霧の日にはラノンが視える |
![]() 新書館ウイングス文庫 刊 スコットランドの小さな村、クリップフォードにはある伝説があった。 七番目に生まれた子供は妖精の呪いによって狂気に陥ると云うのだ。 「呪い」によって叔父を失ったラムジー・マクラブもまた七番目の息子だった。 自らの呪いを解く為に村を飛び出しロンドンへとやって来たラムジーは、 窮地を救ってくれたジャックという青年の元に身を寄せるのだが、彼の周りでは奇妙な出来事ばかりが起こる。 そしてラムジーの身にも異変が起こり……。 現代の英国を舞台にした妖精譚って事で以前から読みたかったのですが、
全4巻で完結したのを機に購入してみました。面白かったです。 (2005/06/05) |
●霧の日にはラノンが視える 2 |
![]() 『霧の日にはラノンが視える 2』 (bk1) (楽天ブックス) 新書館ウイングス文庫 刊 |
「おまえは……本当は、だれなの?」 (同書P250〜251より引用) 「妖精たちの午後」、「ネッシーと《風の魔女》」、「キス&ゴー」の三本が収録されています。 それにしてもやっぱり良いですなぁ、レノックス! さて。続く「ネッシーと《風の魔女》」ではワタクシ待望のネッシー再登場でしたよ!(興奮) (2005/06/17) |
●霧の日にはラノンが視える 3 |
![]() 『霧の日にはラノンが視える 3』(bk1) 新書館ウイングス文庫 刊 クリップフォード村で妖精騒動が起こり、レノックスは真相を確かめる為にスコットランドへと向かう。 次の4巻で完結って事で、起承転結で云えば「転」にあたるのでしょうか。 同時収録の「この街にて」は、ジャックと彼の養育係カディルの過去をメインにした短篇。
ふたりの絆の強さと互いを思い合う気持ちの深さ、そしてその齟齬が何とも切なかったです。
残りあと一冊となってしまったのでちょっと寂しいなー。 (2005/07/11) |
●霧の日にはラノンが視える 4 |
![]() 新書館ウイングス文庫 刊 いよいよ最終巻。 登場人物達がそれぞれの道を歩き出すラストは後味が良くて爽やかでした。ジャックの選択の潔さはやはり好ましいです。唐変木でお堅い彼ですが、良い意味での頑固さを持っている所が素敵。しかし怜悧な頭脳のジャックもランダルの老練さには敵わないあたりがまだまだ青くて良いですな(笑)。やっぱしランダルは喰えない人物だ〜。あと、レノックス。ちょっと残念な出来事もありましたが、幸せになれるように祈ってるから頑張れよ〜! かなり入れ込んで読んでいたシリーズなので、完結まで読めて嬉しいのと同時に凄く寂しかったりもして。でも、ロンドンに行けばなんだか彼らに出会えそうな気がします。通りがかった花屋さんで人懐っこい微笑みを浮かべた少年を見かけたり、地下鉄のホームでガタイの良い大男とすれ違ったり。ふらりと入った古書店でヒナギクのような睫をしたお嬢さんにお会計をしてもらったりできるんじゃないかな〜、あ、勿論スコットランドでのお泊りはファームハウス希望ですよ!と色々想像(ほぼ妄想)してしまいます。私にとって彼らはそれだけ存在感があったものですから。 読んでいる間ずっとロンドンとスコットランドの空気を感じられた作品でした。ファンタジーファンには勿論、英国好き、民間伝承やケルト音楽好きな方にもお薦めかな。 次回作も楽しみにしています。次はどんなお話を読ませて戴けるのかしら。 (2005/07/17) |