●誰の死体? 浅羽莢子 訳・創元推理文庫 刊 |
![]() 建築家シップス氏の浴室で見つかった身元不明の男の死体。 貴族探偵ピーター・ウィムジィ卿のシリーズ第一弾。
短編集(『ピーター卿の事件簿』)
から読むべきか迷ったんですが、とりあえず1巻目から。 |
●雲なす証言 浅羽莢子 訳・創元推理文庫 刊 |
![]() 前回の事件の疲れを癒すべく、コルシカ島で気分転換をはかった後、パリのホテルでくつろいでいたピーター卿。 ピーター卿シリーズ第2作。 「貴族院議員の場合でも、縛り首は縛り首なんだろう? タワー・ヒルで首をはねられるとか、そんなことはないんだろう?」 …逮捕されてるのが自分の兄なのに、よくもこんな台詞が出てくるもんだ(笑)。 |
●不自然な死 浅羽莢子 訳・創元推理文庫 刊 |
![]() 殺人疑惑のある死に立ち会った場合、検視審問を要求すべきかどうかをソーホーの料理屋で食事をしながら議論していたピーター卿とパーカー警部。その話を聞いていた隣席の男が突然口を挟んでくる。 ピーター卿シリーズ第3作。 パーカーは、この世にわずかしかいない、几帳面で骨身を惜しまない人間のひとりだった。 ウィムジイと事件に取り組んでいる時は時間がかかって面倒、かつ退屈で魂が破壊されるような作業は全て、 パーカーがするという暗黙の了解がある。 時々、ウィムジイがそれをあまりにも当然のことと考えているのに苛立ちをおぼえることがあった。 今もそう。何しろ今日は暑い。歩道も埃っぽい。紙屑が通りを吹き飛ばされていく。バスの外座席は焼けるよう、内座席は息が詰まる。(中略) だいたいウィムジイが悪い! なぜドーソン嬢を墓で安らかに眠らせておいてやれなかったのだ? 誰に害を与えている訳でもなかった──だのにウィムジイがほじくり返すと言い張って、 パーカーが公式に関心を持たざるを得ないところまで調査を進めてしまった。(以下略) この場面の絵面を想像すると楽しくって!憤懣やる方ないパーカー警部の姿がありありと脳裏に浮かびますよ。 たたみかけるようなトホホ感がたまりません(笑)。 事件としては結構後味が悪いんですが、謎の提示の仕方は興味深かったかな。 |
●ベローナ・クラブの不愉快な事件 浅羽莢子 訳・創元推理文庫 刊 |
![]() 休戦記念日の晩、ベローナ・クラブを訪れていたピーター卿は、古参会員のフェンティマン将軍が椅子の上で死んでいる場に遭遇する。将軍は資産家の妹と共にある遺言を残していた。 ピーター卿シリーズ第4作。 「僕は運が良くて」とウィムジイは、金がありすぎると非難された人間が用いざるをえなくなる、あの言い訳がましい口調になった。 主人にここまで云わせる従僕って!(笑) |
●毒を食らわば 浅羽莢子 訳・創元推理文庫 刊 |
![]() 探偵小説家ハリエット・ヴェインは、同棲していた恋人のフィリップ・ボーイズから結婚を申し出られた事に激昂し関係を解消するが、彼女との最後の会見直後にボーイズは死亡。解剖の結果、死因は砒素中毒と判明。 ピーター卿シリーズ第5作。 「…こう申しては何でございますが、成熟した年齢と女王のごとき体形の女性のほうがしばしば、浮ついていて思慮の浅い美女よりも、繊細な心遣いにほだされ易いものでございます」 おおう、凄い自信だ。私も繊細な心遣いとやらにほだされたいわ〜。 |
●五匹の赤い鰊 浅羽莢子 訳・創元推理文庫 刊 |
![]() 釣人と画家で賑わうスコットランドの田舎町で嫌われ者の画家の死体が発見された。
ピーター卿シリーズ6作目。 タイトルが「五匹の赤い鰊」ってんで、釣りの話かしらと思っていたのですが(単純過ぎ)、red herring とは英語の成句表現で「人の注意を他にそらすもの・人を惑わすような情報」の意味があるんですね。狐狩りの猟犬に他の匂いと嗅ぎわける訓練をさせる際、
燻製鰊を使った事からこの表現が生まれたそうな(ええ、辞書をひきましたとも)。 |
●死体をどうぞ 浅羽莢子 訳・創元推理文庫 刊 |
![]() ピーター卿シリーズ第7作。 今回の舞台はイングランド南西部。 「いったいどうして」ハリエットは質した。「あなたがここに?」 と、つれないお答えのハリエット(笑)。 |
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